英文エッセイの書き方:コピペ厳禁!最悪国外追放だよ

前回はリサーチとは何かについてお話ししました。

今回は英文エッセイの書き方第2弾として、プレジャリズム(plagiarism)についてお話ししたいと思います。

おそらく海外留学経験のない方にとっては、プレジャリズムと言う言葉自体、聞いたことがないかもしれません。これは簡単に言うと、コピペです。つまり、他人の書いた文章を盗用、剽窃、コピーなどして、自身のオリジナルの文章かのように装ってエッセイの一部に使用する行為のことです。

日本でもコピペは基本的には禁止になっているかと思いますが、アメリカでも同様です。もっと言えば、アメリカではプレジャリズムに対しては以下のように日本よりも厳しい対応をしています。

 

1.コピペと判断される基準が厳しい

2.違反者への罰則が厳しい

3.コピペチェックツールの審査が厳しい

 

ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

コピペと判断される基準が厳しい

どなたでも、他人の文章を丸々コピーして自分のエッセイや論文に貼り付けて提出したら、さすがにアウトになるであろうことは想像がつくかと思います。

と同時に必ず疑問に上がるのが、じゃあどこまで許されるのかということです。これについては厳密な境界線があるわけではありません。また実際のところ、自分の書いた文章が、世界中の人々がこれまでの歴史の中で書いてきたあらゆる文章と、全く似ても似つかないなんてことはありえないでしょう。

そこで、ここではいくつかよくある、誤ってルール違反になってしまうパターンをご紹介したいと思います。

 

・自己剽窃(self-plagiarism)

これは、自分がかつて書いた文章をそのまま使って、または少しだけアレンジして、別の文章を作るというパターンです。

これは自分が書いた英文エッセイですから、当然著作権も自分が持っているので問題ないように思えます。しかし実は、これもプレジャリズムと判断されます。

つまり、プレジャリズムの判断と言うのは、誰がその文章を書いたかが問われているのではなく、その文章自体のオリジナル性を問われているということになります。プレジャリズムと判断される範囲は、著作権違反よりも広いものと認識する必要があります。

 

・事実のコピペ

例えば今日(2018/4/20)の時点で、Wikipediaで本能寺の変について見てみると、「天正10年6月2日(1582年6月21日)早朝、京都本能寺に宿泊していた織田信長が、家臣明智光秀の謀反によって襲撃された事件である」と書いてあります。

これは紛れもない歴史的な事実ですから、この文章に対して解釈や意見を述べる余地がありません。では、自身が英文エッセイを書くときに、このような文章をそのままコピペして使用してもよいのでしょうか?

実はこれもプレジャリズムに該当します。いかに歴史的な事柄や科学的な事実であっても、それを説明する表現まで全く同じにしてはいけないのです。もちろんより短い文で表現された事実については、ほぼ同一になることもありえますが、基本的には事実の描写さえもオリジナルでなければなりません。

 

・アイデアのパクリ

文章をコピペしてはいけないのは間違いありませんが、実はプレジャリズムはさらに、アイデアのパクリまでも禁止しています。

例えば、他人が書いた英文エッセイと同じテーマ、同じ研究方法、同じ結論に至るエッセイを、自身のオリジナルの文章で書いたとしましょう。もちろん前回の記事でも書いたように、これ自体がすでにリサーチとは呼べない代物になってしまうわけですが、さらに言えばこれはプレジャリズムともみなされてしまいます。

ここで難しいのが、自分の頭の中に浮かんだアイデアが、自分オリジナルのものなのか、他者のエッセイなどを読んでそれをうのみにしたものなのか、自分自身でも判断できなくなることがあるということです。こういう状態を、予期せぬ剽窃(Accidental plagiarism)と言ったりします。

自分に自覚がなくても、違反は違反です。ですから、プレジャリズムを回避するためには、時には自分のアイデア自体も疑ってみる必要があるわけです。

…ということで、よくあるプレジャリズムとみなされる判断基準についてご紹介しました。ではどうやったらこれらを回避できるのかと言うと、それが「引用」です。基本的には、他人の文章やアイデアを参照する際には、英文エッセイではダブルクォーテーションマーク(””)で引用部分を囲う決まりとなっています。さらに、引用元の文献を、文末や巻末の参考文献一覧(Reference)などに記載することで引用が完了します。

これは面倒な部分ではありますが、逆に言うとたくさんの引用がある英文エッセイの方が、ちゃんと色々調べているんだとみなされて、評価が高かったりします。全く引用のない文章を書いて出すと、何を根拠に書いたのかと問い詰められることでしょう。

英文エッセイの書き方の鉄則として、引用をうまく攻略していくことがあげられます。引用や参考文献の詳しい書き方などについては、また別の機会でご紹介できればと思います。

 

違反者への罰則が厳しい

アメリカではプレジャリズムに対しては、おそらく日本以上に厳しい罰則が待っています。これまでに起こった実際の事件をいくつかご紹介したいと思います。

 

・バージニア大学:大量退学処分事件

2002年にバージニア大学で学生たちのプレジャリズムが大量に発見されました。結果、48名が退学処分、すでに卒業していた3名は学位はく奪処分となりました。

 

・コロンビア大学:教授解雇事件

アイビー・リーグのうちの一つでもある名門のコロンビア大学で、2008年に教授が自身の同僚や学生の書いた論文を使って、学術雑誌に投稿していたことが発覚しました。教授は当然その場で解雇となりました。

 

・ハーバード大学:入学取消事件

かの世界の名門校であるハーバード大学に合格したある高校生が、実は提出したエッセイが地元新聞の記事からの盗用であったことが発覚し、後から入学取消となりました。

 

…日本でも小保方晴子さんのコピペ事件などが話題となり、結局学位の取り消しまで発展しましたが、アメリカではそのレベルの処分にまで行きつくハードルが低い印象があります。

なお、上記の学校からの処分に加えて、軽犯罪として起訴されれば、5万ドル以下の罰金か1年以下の懲役が待っています。さらに、著作権侵害により金銭的な損害が発生すれば、その金額に応じて罰金額や懲役の期間も延長される場合があります(州法によります)。さらにさらに、留学生が上記のような事件を起こすと、退学・罰金に加えて、犯罪者扱いされて国外追放にまで発展するの可能性があります。ぜひともお気を付けください。

ちなみにアメリカでも、トランプ大統領の夫人であるメラニアさんが、オバマ大統領夫人のかつての演説を盗用していたのではということが話題になったこともありましたね。あれはアカデミックなプレジャリズムとは言えませんが、盗用に対するアメリカの関心の高さを示す事件だったとも言えます。

ぜひ一度、2人の演説を比べて聞いてみていただければ、アメリカではどの程度の類似性が批判の対象となるのかイメージしていただけるかと思います。

コピペチェックツールの審査が厳しい

最後に、アメリカで使われている高性能なコピペチェックツールをご紹介します。

と言っても、私はうちの大学のことしか分からないのですが、ブリッジポート大学ではturnitin.com というサービスを使用してコピペチェックをしています。

turnitin.com によるコピペチェックの様子
turnitin.com によるコピペチェックの様子

これはなかなかの優れもので、ネット上の文章や表現は当然のことながら、自分を含め、誰かがかつて提出したレポートとの照合もしてくれます。そして、どこの文章がどの程度の類似性があるかなどが表示されます。

さらに怖いことに?誰かが記事を盗用しているかもしれないというレポートを、引用元と思われる著作者や関係機関に勝手に送りまくってくれるのです。これを始めて見たときはさすがにドン引きしましたが、アメリカの徹底ぶりを垣間見ることができました。

なお、レポートの提出はこのシステムを介してでしか受け付けてくれないので、下手な小細工を考えるのはやめて、まじめにコツコツとオリジナルの文章を書いていくのが得策です。

ちなみにこのシステムは基本的には管理者用になっていて、学生側はリサーチペーパーを提出することにしか使えません。つまり、自分のエッセイや論文がどの程度プレジャリズムの審査に引っかかるかをチェックすることはできるのですが、同時にその原稿はそのまま教授の元にも送られてしまうのです。もちろん教授に断ったうえで、チェック用に何回かこのシステムに原稿をアップするという使い方をしている学生もいます。

そこで今回は、誰でも無料で使えるPlagiarism Checker(コピペチェックツール)をご紹介します。それがこちら!

 

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このサイトは、ブリッジポート大学で使っている上記のシステムと同じように、送った原稿がどれくらい剽窃となるかを判断してくれます。ただし、フリーで使える回数に制限がありますので、定期的に使いたい人は有料版に登録するというのも手です。ちなみに日本語の剽窃チェックはしてれくません。また、同様の機能があるサイトは他にもたくさんあるので、「Plagiarism Checker」などのキーワードで検索してみてください。

 

…ということで今回はプレジャリズムについてご紹介しました。私の個人的な感想としては、アメリカは日本ほど著作権に対しての意識が高いとは感じませんが、アカデミック分野におけるプレジャリズムについては、かなり厳しく対応しているように感じました。アメリカ留学を検討されている皆さんは、ぜひともお気を付けください。

次回は、プレジャリズムの回避方法について、もう少し詳しくご紹介できたらと思っています。